絶海の孤島

ウルトラボーイ酒本による日々思ったことや見たことを書き散らしたブログ。

井上尚弥vsドネア

少し前になるが、井上尚弥とドネアの試合はひさしぶりにいいもの見せてもらった。

試合内容もスゴかったが、入場〜試合開始までの両者の立ち振る舞いというか、オーラが対照的で興味深かった。

井上尚弥はこれからの選手で、未来があり、この試合は「本物」(三階級王者なので既にスゴい実績ではあるが)になっていくための大一番で、最初のストーリーというフンイキ。

対してドネアは五階級制覇したレジェンドであり、これまでのキャリアの総決算というような感じ。

この2人の持つストーリーが、試合前の立ち振る舞いに如実に現れていた。

試合に勝つか負けるかというのは、試合に臨む雰囲気からなんとなく分かる。

この時見た感じでは、井上尚弥が圧倒的に「勝つ」オーラを纏っていた。

対してドネアは覇気がない、というわけではないがヤケにリラックスしていて、どうも勢いみたいなものをそれほど感じなかった。

なので、最終ラウンドにもつれ込んだことや、途中にかなりいいパンチが当たり窮地の場面があったことはかなり驚きだった。

試合後に「ドネアが二重に見えた」状態だったことを知り、なるほどアクシデントのようなものだっのかなとも思ったが、しかしやはり井上尚弥をここまで追い込んだドネアが物凄かったということだろう。

試合前の立ち振る舞いで「勝つ雰囲気」が出ていなかったように感じたのは、逆に言うと百戦錬磨のキャリアを持つドネアの老獪さが滲み出ていたものだったのだろう。

と、まぁ観るものの勝手な感想なのだが、そんな風に理解や想像を超えるものすごいレベルのものだった。

井上選手が今後、どこまで行くのか楽しみだ。